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2005

先頃引退を発表した前園真聖選手の記事が、光文社の『月刊バーサス7月号』に掲載されてます。
ノンフィクション形式で、筆者はあの金子達仁氏。
金子氏の出世作『28年目のハーフタイム』は、前園が最も輝いたアトランタオリンピック代表チームの、ナイジェリア戦ハーフタイムで起きた事件を扱ったものでした。その後同チームの川口、中田についての記事を専門のように書いて金子氏もまた花形ライターとなっていったワケで、前園の幕引きについての記事を金子氏が書くのも、まあ必然と言えるでしょう。
それにしても、前園です。前園真聖という選手を思う時、なぜこんなにも切ない想いにかられるのか。それは彼ほど激しい浮き沈みを体現した選手はいないからです。
アトランタオリンピックの最終予選からオリンピック本番まで、あのころの前園はまさに日本で最もホットで、最もトンガっていて、最もおしゃれなスポーツ選手でした。スピード溢れるドリブルと勝負強さ、闘志あふれるキャプテンシー。エゴイスティックなイメージもまたかっこよく見えたものです。
しかし、海外移籍を果たせないままヴェルディに移籍…その後の凋落は目を覆わんばかりでした。なぜ?どうしてあそこまで輝いていた選手が、ほんの数年後にJリーグを追われドサ回りのような海外移籍を繰り返さなければならないのか?我々一般のファンからはその理由が分からないだけに、前園がブラジル、韓国、果てはセルビアと毎年のようにチームを渡り歩くニュースを見るたびにため息をつくしかなかったワケです。
今回の月刊バーサスの記事は、前園に関する『なぜ?』にかなりの部分応えてくれる内容と言えるでしょう。詳しくは本誌を読んでいただくしかないですが、この一行には思わずうるっと来ました。
『いまはヒデに会いたいですね。心からあいつを応援してやりたい、そう思えるようになりました』
前園…やっぱり切ねーよ。
せめて第二の人生でもう一度、彼が輝く瞬間がありますように祈らずにはいられません。
コメント
私もさー、ずーっと気になってて、ついにこのあいだの引退発表。何があったんだろう、ってね。
早速明日にでも買って読も。表紙も素敵(笑)だし。
2005/06/16 (Thu) 00:11 | らび #- | URL | 編集
う~ん
岡田監督に嫌われちゃったのが運のつきだったみたいですね
日本には珍しい活きの良いドリブラーでした
日本の選手って良い子ちゃんばっかりだから
浮いてしまったのかもしれませんね
あーもったいない、もったいない
2005/06/16 (Thu) 02:14 | 紫陀羅 #- | URL | 編集
ついさっき
私も買ってきて読みました。
選手生命の短いサッカー界で引退ニュースはありふれているわけだけど、前園の引退を聞いたときは、ほんとに痛かったねー。
いい記事を教えてくれてさんきゅです!
2005/06/16 (Thu) 18:43 | こっし #JalddpaA | URL | 編集
今日早速買ってきて、読んだよ。
引用されている「28年目のハーフタイム」も、あと能活のインタビューが出てた「Number」の増刊も、とてもよく憶えているので(どっちも実家にあるはずだ)、いろんな事が渦巻いて思わずうるっときちゃった....。
2005/06/16 (Thu) 23:51 | らび #- | URL | 編集
>らびさん
問題は、なぜ『Number』誌上じゃないか、ってことだが…金子氏、文春とけんかしたかな?
それにしても、前園、城、そして小倉…あの世代はヒデ以外はどーもその後がねえ…
せつないですわい。
>しだらさん
うーん、浮いちゃったってのもあるかも知れないけど、記事を読むと、原因はひと言「時代のせい」ってヤツなのかも知れないね。
>こっし
ホント、前園って名前はあの時代のアイコンだよね。だから、引退って聞いて、みんなそれぞれ思うとこあったと思うな。あの記事だけでとりあえず買う価値はあるね。
2005/06/17 (Fri) 00:24 | jojo #KsT.lUIw | URL | 編集
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前園の引退。 彼のピークは1996年アトランタ五輪のアジア最終予選だったかな。
2005.06.30 (Thu) 14:50 | 東京スロー&アクティブライフ