秋の北海道撮影旅行(その4)

実は知床2日目の昼間に、俺はある人物に連絡をとっていました。
吉祥寺の大先輩カメラマンM氏が「知床にいるならこの人に電話したらいいよ」と、知床の写真関係のある方の連絡先を教えてくださってたんです。もっと早くに連絡すればよかったんですが、一面識もない人にいきなり電話するのも……と小心者の俺は躊躇していました。
しかし、明日はもう知床最終日なのに、ヒグマと会えそうな気配もなし。やはり地元の人の情報を得るしかありません。いよいよ追いつめられて、意を決して電話をしたわけです。

昔M氏のアシスタントをされていて、いまは羅臼に戻っているというT氏。ご自身も羅臼をテーマにした写真集を出されている先輩カメラマンです。その夜、わざわざ俺の宿泊するホテルまで来てくださったT氏は、とても気さくな方で俺は一安心(笑)。
知床の自然のこと、知床で動物写真を撮るということ、羅臼の現状など初対面なのにもかかわらず(そしてシラフなのにもかかわらず(笑))会話は楽しく弾みました。そしてT氏はその場で知り合いに電話して、いまならココでヒグマに会える、という情報を提供してくださったわけです。
現在羅臼で、地元の重要なポストでお仕事をされてるというT氏。お忙しいところを時間を割いて俺なんぞの相談に乗っていただき、ホント感謝感謝、です。もちろん、吉祥寺の大先輩M氏にも大感謝、なのでした。

そしてそして、翌日です。知床横断道路が通行止めになってないかかなりヒヤヒヤもんだったんですが、無事ゲートも開きました。知床五湖に近い、教えていただいたスポットに大急ぎで向いました。
天気はとても不安定。晴れたと思ったら突然雨が降ってきて、そしてまた晴れる、というカンジ。とりあえず、大急ぎでレインウエアを着込んで、1DXにヨンニッパ、エクステンダー1.4を装着して、ジッツォの一脚で熊の出現を待ちます。

誰もいない海辺の川原で、1時間半ほど待ち続けたときです。山の上方の道路で、観光バスが不自然に停車しました。その様子を見て、最初はピンと来なかったんですが、さすがに気づきましたね。これは出たんだ!と。
ゴロゴロの岩だらけの川原を上流に向かって急いで歩いていくと、いました。200メートルほど先だったでしょうか。茶色い何かが動いていました。


機種: Canon EOS-1D X
ISO: 1250
露出: 1/640 秒
絞り: 5.6
焦点距離: 560mm
フラッシュを使用: いいえ
EF400mmF2.8L IS II USM + EXTENDER EF1.4×III




機種: Canon EOS-1D X
ISO: 1250
露出: 1/640 秒
絞り: 5.6
焦点距離: 560mm
フラッシュを使用: いいえ
EF400mmF2.8L IS II USM + EXTENDER EF1.4×III




前回9月に来たときは、観光船に乗って海の上から海辺にやってくるヒグマを見ることはできたんですが、今回は同じ川原で、まさに遭遇といったカンジで、さすがに興奮しました。夢中になってシャッターを切ってましたが、それと同時に、自分の目の前の川原や、背後に突然別のヒグマが現われる可能性もあるってことを強く実感して、周囲をキョロキョロ見回しながらの撮影でした。冷静だったというより、やっぱりビビってたということなんでしょう。
ファインダーの中のヒグマと目が合って、こちらに向ってヒグマが歩き出したときは、まだまだ距離はあるのに、「ヤバいヤバいヤバい」と慌てて逃げましたから(笑)。


機種: Canon EOS-1D X
ISO: 1000
露出: 1/640 秒
絞り: 5.6
焦点距離: 560mm
フラッシュを使用: いいえ
EF400mmF2.8L IS II USM + EXTENDER EF1.4×III




冷静に写真を見てみると、これはまだ子グマですよね。
だからあれほど慌てる必要はなかったといまは思えますが、やっぱり現場では興奮状態にあったんでしょうね。
なんかこう、やたらに巨大な生物がすぐ向こうにいるみたいな気がしてました。崖の上には観光バスがいたんですが、川原にいるのは俺ひとりで、ひとりでやたらと危険な現場にいるような気がしてました。


機種: Canon EOS-1D X
ISO: 1250
露出: 1/640 秒
絞り: 5.6
焦点距離: 560mm
フラッシュを使用: いいえ
EF400mmF2.8L IS II USM + EXTENDER EF1.4×III




機種: Canon EOS-1D X
ISO: 1600
露出: 1/640 秒
絞り: 5.6
焦点距離: 560mm
フラッシュを使用: いいえ
EF400mmF2.8L IS II USM + EXTENDER EF1.4×III



気がつけば、自分だけは合羽を着てましたが、カメラはずぶ濡れ。慌てて車に戻ってタオルで拭きましたが、さすがに1DXとヨンニッパはびくともしませんね。少々雨に濡れても平気という安心感は、やっぱりフィールドでは大事です。待ち続けた野生動物がやっと現れたときに、カメラの状態なんて気にしてられないですから。

とまあ、ともかくも野生のヒグマを撮影することができました。実際に撮影していた時間はほんの数分だったと思いますが、自分のなかではもうお腹いっぱいになりまして(笑)、知床五湖ネイチャーセンターでひと休みして、その足で帰路についたのでした。
(帰りも帯広で一泊、苫小牧からフェリーの長旅でした……)
以上、この秋の北海道撮影旅行の顛末でございました。


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2012/11/04 (Sun) 02:17 | # | | 編集

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