ジョブスの時代

ジョブス

8月にアップルのCEOを辞してまだ2ヶ月と経ってないのに、まさかこんなに早くこの日が来るとは。

なにか、92年にポーカロが亡くなった日以来のショックかもしれません。Macが大好きになって、気がつけば身の回りはアップル製品ばかりになり、自他共に認める ”信者” なわけですが、スティーブ・ジョブスという人物個人にはそれほどの思い入れはないと思っていたんですが。

思えば、「マーケティング」全盛の今日、「マーケティング」という名の「大衆迎合」、売らんがための悪しき「現実主義」に真っ向から異を唱え、そして成功を収めた唯一の人物だったのかもしれません。
ひとりの人間の思い描く理想、ある個人の掲げるビジョンに基づいて、妥協することなく製品を作り続けたアップルという企業。青臭いヒッピーの青年だったころの情熱そのままに、ビジネスマンたちとの戦いに一度は敗れたものの、再起し、その後信じられない大成功を収めた伝説の人物。
得体の知れない「企業」という集合体ではなく、「ひとりの人間」の打ちだすスタイルや美意識がそこにあるからこそ、そこにハマったユーザーにとってのアップル製品は、まさに「パーソナル」なモノになり得たんだと思います。
いまや世界一の企業となったアップルという会社が作りだしてはいるものの、その入り口と出口は「個人対個人」の関係。
幸せな時代の終わり、なのかも知れません。

そうなんです。いま思いがけないほどショックを受けている俺が怖れているのは、ジョブスという人物の死が告げる、ひとつの時代の終焉、なのかもしれません。今後ますますブラックボックス化し、得体の知れない巨大なシステムになっていくであろうデジタル世界に、ワクワクできた時代の最後の時代。少なくとも、ジョブスの美意識に共感していたアップルユーザーにとっては、明らかにひとつの時代の終わりです。
今後、クックCEO率いるアップルが、ジョブスの理想をいかに受け継いでいくにせよ、「個人対個人」の時代は残念ながら終ってしまいました。

ともかくも、いまはただスティーブジョブス氏に感謝しようではありませんか。個人としての彼は亡くなってしまいましたが、彼の掲げたベクトル、向かおうとした方向性は確かにアップルに残っていくと信じて。



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