ロックドラマーもすなるジャズドラム(その2)

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ほぼ月1回で活動している、吉祥寺のビッグバンドに参加してもう2年くらいになる俺ですが、ここひと月ばかりはサロンコンサートに向けて毎週のようにリハがありまして。
Plastic Soul Bandがサードアルバムのミキシング作業を再開してしまったため、最近はすっかり『ジャズ三昧』などらまあ生活だったわけです。
『ロックドラマーもすなるジャズドラムその1』なんてエントリーを書いてからずいぶん経つわけですが、ここらでひとつ、ロックドラマーがジャズをやるということがどんなに大変なことか、思ったことを書き残しておきましょう。

まず、大前提として……これはもうジャズをやろうとするときの第1歩の話ですが、ロックとジャズではリズムの取り方が全く違います。ロックの場合は、まず大切なのは『1』です。バーナード・パーディー先生も口を酸っぱくして強調してますが、何より大切なのは『ONE』なのです。だから、ドラムセットの中でも最も支配力の大きなバスドラで『ドン』と1拍目を強調するわけです。言い換えれば、ロックバンドの中のドラマーの役割というのは、まず『ONE』をたゆまず安定して提示し続けること、と言えるのです。

ジャズの場合は……ロックと違って、リズムは『2』から始まります。乱暴な言い方をしてしまえば、ジャズの場合は1拍目はどうでもいいわけです。それよりも、ドラマーは2拍目、4拍目のバックビートを『流れの中で』作ってあげることが役割になるわけです。(バックビートをスネアで叩く場合もありますが、それはフォルテシモのときです)
リズムの流れの中で、自然にバックビートで身体が動くようになると、そのリズムは『スイングしてる』というわけです。

そんな役割の違いから、ドラマーがドラムセットを叩く時の、4本の手足の使い方もジャズとロックでは大きく違います。ロックの場合は、リズムを叩くときのキモとなるのは『ONE』の右足と、バックビートを叩く左手です。しかし、ジャズの場合のキモは、シンバルレガートをする右手と、ハイハットでバックビートをキープする左足なのです。
ロックは『右足と左手』、ジャズは『右手と左足』まさにクロスした状態で体の使い方が違うわけです。

これがロックドラマーにとっては大きな関門です。なんせまず、右足を最初に『ドン』と踏むことが身体に染みついてますから。でも、ジャズではそれはご法度。それより、バスドラはアクセントの場面で裏拍で踏むことが多いわけで、混乱します。混乱するし、不安です。いまままでは、バスドラで強制的にバンドのリズムを支配し、メンバーを「おら、ここが1拍目だ!」と従わせてきたのに、それができないわけです。
ロックの場合は、ドラムは土台であるがゆえに絶大な権力を持っているわけですが、ジャズのドラムは土台ではないのです。どっちかというとベースが土台で、ドラムはその上に乗っかるような存在です。言ってみればパーカッションみたいなもんですね。
急に家庭内の権力がなくなった、戦後のお父さんのようなもんです。困ります。家に帰りたくなくなって、焼き鳥屋でくだを巻きたくなるってもんです。
ことほどさように、ロックドラムとジャズドラムは出だしからして違うのです。

長くなったので、続きます。

テーマ: ドラム | ジャンル: 音楽

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コメント

1タムというのも

ビジュアル的にレアですねw

楽器の特性上、身体的な要素が密着してる分、宗旨替えには難儀しそうですよね。
ベースの場合、そこまでの違いはないかな...と、少し考えましたが...自分がクラシックを演奏することを想像して、ちょっと気持ちがわかりました。弓なんか使えないしw

2009/11/24 (Tue) 23:44 | TAKA #Zh0p.4rY | URL | 編集

>TAKAさん
ええ~ワンタムってレアですか?(笑)昔のジャズドラマーはみんなワンタムだったじゃないですか。
それにしても、いかに自分が普段、染みついた手癖足癖でドラムを叩いてるか、ジャズやると身にしみますよ。ロックって楽です(笑)。

2009/11/28 (Sat) 08:11 | jojo #Wa8vY8KE | URL | 編集

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