エンド・ゲーム

エンドゲーム

恩田陸氏の『常野物語』シリーズ最新作。様々な超能力を持った常野一族の姿を描いたこのサーガだが、今作は一風変わったサイコSFになっている。
連作短編『光の帝国~常野物語(集英社文庫)』の中の『オセロ・ゲーム』の登場人物、拝島暎子とその娘時子のその後の戦いを描いたのが本作だ。『光の帝国』のあとがきで作者は「拝島暎子が夫を取り戻す話は、また別の機会に書いてみたい」と書いていたが、その約束が果たされたわけである。
しかし、タイトルが語る通り、前回は『オセロ・ゲーム』だったのが、今回は『エンド・ゲーム』である。白黒をひっくり返して陣取りするだけでなく、最後まで決着をつけようという意思が現れている。その通り、今回はハードだ。

内面的に異質な『あいつら』を見分ける能力のある拝島母娘。しかも見分けるだけでなく『裏返す』こともできるのだ。人間社会のどこに潜んでいるか分らない敵を見つけて、『裏返される』前に『裏返す』戦いの日々。そして強い力を持ちながら失踪してしまった夫は、敵に裏返されてしまったのか?そんなとき現れた第三者『洗濯屋』とは?錯綜する謎の決着は、あくまで精神世界の出来事だ。それだけに、物語は抽象的にならざるを得ない。『光の帝国』と違って少々分りにくいストーリーになってしまったのは、致し方ないところだろうか。
しかし、拝島母娘の物語はまだ続きそうだ。すっきりとした決着は、さらなる続編を待て、といったところだろうか。
しかし話が抽象的なんで、映画化は難しいだろうなあ…どこかが手を挙げそうな気がするけど。
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2006.01.19 (Thu) 00:38 | IN MY BOOK by ゆうき