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ライカMM、そして

P2JG0846
Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/3.6 35.0 mm 1/125 ISO2500


なんといつの間にか年をまたいでしまいました(笑)
いまさらお年始のご挨拶もないので割愛させていただきますが、11月にライカM2を買って以来、年末年始はフィルムカメラ三昧なワタクシでございました。
”ライカは増殖する”なんて言葉もありますが、安いオールドレンズを見つけてはレンズも2本、3本と増えてゆきました。
オールドライカの世界は、安くあげようと思うと何とかなるのがいいところです。中望遠レンズやLマウント(スクリューマウント)時代のレンズはびっくりするほど安かったりして、つい増えてゆくのでした。

最初のレンズ沈胴ズミクロン5cmF2(当時のレンズ表記はmmじゃなくてcmなのです)から、次に来たのはLマウントのズマロン35mmF3.5(レンズ表記としては3.5cm)です。そのあとは中望遠でミノルタ製ライカMマウントレンズロッコール90mmF4、明るい中望遠も欲しくなりライカのテレエルマリート90mmF2.8……。
レンズが4本になると、ついボディがもう1台欲しくなり、ライカの中では人気薄で安価なM5を買いました。

フィルムカメラで撮影していくと、デジタルで撮ることはなんと楽なんだろうと実感します。なんせフィルムの場合はISO感度はフィルムに固有ですから、そのフィルムを使い切るまではISO感度を動かせないわけです。100なら100、400なら400で24枚なり36枚を撮り切らないといけない。夜景などは増感現像することにしてISO800やISO1600という世界もありますが、それでも途中で変更することはできませんから、増感すると決めたフィルムは撮り切るまでずっと感度増感です。
しかもM2は露出計なんてありませんから、単体露出計を常に持ち歩くことになります。
そうして次第に、露出の感覚が身に付いてきます。ISO400のトライXを入れたとして、晴れた日だったら基本的にf5.6の1/125で、日陰だったらそこから1段明るく、空を撮るんだったら絞りをf11まで絞ってみる、とかですね。デジタルだったらカメラ任せだった部分を自分で考える面白さがわかってきます。

それと同時に、レンジファインダーでMFする面白さもわかってきました。なぜライカ社が頑なにライカMシリーズにAFを導入しないのか。それはAF化によるレンズとボディの肥大化を防ぎたいのと同時に、ライカで撮る面白さ、楽しさがレンジファインダーをのぞいて二重像を合わせる行為にあるからです。被写体との距離を読んでノーファインダーで撮る素早さもありますが、やはりあのクリアなファインダー視界の中で二重像を合わせることこそライカの真髄であることを、ライカ社のエライ人はちゃんとわかってるんですね。
だから頑なに光学ファインダーだし、頑なにマニュアルフォーカスなのです。

最初は難しそうなイメージがあったんですが、M2で初めてレンジファインダーをのぞいた瞬間から、あの二重像がとても合わせやすいのに驚きました。もちろん個体差はあるし、逆光だとブライトフレーム(レンズ画角を示す枠線)と二重像が見難い瞬間もあるんですが、それらもアナログな、光学的な現象なので、ちょっとしたその場の工夫でなんとかなるんですね。
それより、ライカMマウントレンズのフォーカスリングをスッと動かして二重像を合わせる行為に、ほとんど曖昧さがないので素早くフォーカスを合わせることができる。二重像が重なるのがハッキリとファインダー内で見えるので、合焦に迷いがないのです。そうして撮った画像はどれもばっちりとフォーカスが合っています。
操作の気持ちよさ、目で見て合わせる小気味良さ、撮れた写真の達成感、そしてもちろんクリアでシャープな画像。ワタシはすっかりライカレンズの気持ちよさにハマってしまったのです。

そしてやはり、デジタルもライカレンズを使いたい気持ちがどんどん大きくなっていきました。
もちろん、富士フイルムXシリーズでマウントアダプターをかましてライカレンズを使うことはできますし、そうして使ってもいましたが、そこでなんとも悔しいのがセンサーフォーマットの違いです。
もちろん、デジタルカメラのシステムとしてはXシリーズのAPS-Cセンサーとマウントサイズはベストだと今でも思います。フィルムよりシステム全体が肥大化せざるを得ないデジタルでは、センサーサイズをワンサイズ小さくして全体をダウンサイジングした富士フイルムの判断は妥当なものです。
ただ、単純にライカレンズをアダプターをかまして使いたいだけとなると、APS-Cセンサーではイメージサークルの真ん中しか使えないのが悔しいんですよ。周辺減光とか大好物なので、その辺の味も含めてライカのレンズを味わいたいのです。
だからと言って、他社のフルサイズデジカメを導入する気は全くありませんでした。

そうなると、このところ自分の中でスタイルの変遷というか、被写体が野鳥からストリートスナップへとはっきりと変わっていることを認めざるを得ないところがあるので、だったら潔く、野鳥用のシステムは手放して、しばらく野鳥はお休みしよう、と気持ちが定まりました。
愛着あるX-Pro2、X100FとXF35mmF1.4R、マクロとレンズスキャン用にZEISS Toiut50mmF2.8Mを残して、その他のレンズとボディを全て手放すことで、8年落ちですがデジタルライカを迎えることができました。
作例を見て衝撃を受けて以来、デジタルでライカを手に入れるならこれしかないと思っていました。MモノクロームのCCDセンサーモデルです。



P2JG0808
Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/4.0 35.0 mm 1/30 ISO12800


P2JG0809
Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/5.0 35.0 mm 1/250 ISO12800


P2JG0810
Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/5.0 35.0 mm 1/250 ISO12800


まったくまあ、なんともそっけない真っ黒なカメラです。つや消し黒の塗装はクロームで、ペイントブラックのように剥げを楽しむボディではないようです。でもそのおかげで、この個体は底面以外ほとんどキズや凹みのない綺麗な状態を保っています。
2012年の発売以来8年経って、ようやく中古価格が新品の半額程度に落ち着いてきました。それでなんとかワタシにも手が出せるレベルになったんですが、それでもまだ50万円以上の価格を維持しているのが逆に凄いですねえ。
ライカのCCDセンサーはリコール交換があったらしいですが、この個体は交換を済ませているので安心です。



P2JG0847
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/5.6 50.0 mm 0.8sec ISO2500


メーカー名は背面にあるこの刻印のみ。そして機種名に至っては



P2JG0849
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/5.6 50.0mm 0.3sec ISO2500


アクセサリーシュー金具のところのこの刻印のみです。何かキミは、そこまで世をはばかる理由でもあるのか!?と問い詰めたくなるような徹底ぶりですが、本体に何の印字もないこの仕様、実は大好きです。
カメラ本体に、機種名やメーカー名をデカデカとアピールする必要なんてありませんし、撮影の邪魔ですらありますから。
そしてライカには、そんなことしなくても一目でライカだとわかる特徴を代々受け継いでいるのが凄いわけです。ワタシもこのほんの数ヶ月の撮影経験でも、街ゆく人や被写体になってもらった人から、いいカメラだね、凄いカメラですね、と声をかけられました。だいたい年配の男性だったらみな、おっという顔になりますね。
そしてそれは、世界中どこに行っても同じなんだそうですよ。本当に凄いことですね。



P2JG0828
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 3sec ISO400


手元にある唯一の現行レンズ、ズミクロンM35mmF2 ASPH 6bitレンズと。これももちろん中古で手に入れたものですが、全域に渡って繊細でシャープ、逆光にも強く現代ライカレンズの実力を思い知らされる1本です。そしてこのレベルで、まだスタンダードモデルですからね。



P2JG0829
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 2.5sec ISO400


そしてこちらが、同じ35mmレンズでも65年前の大先輩。ズマロンL35mmF3.5です。このレンズはフィルムで使うとたいへん柔らかくて味のある描写をするレンズで、ワタシをオールドライカレンズの沼へ突き落としたレンズです(笑)。
柔らかいけど芯があって、ポートレートがとてもいい雰囲気に撮れますね。まだMMでは十分に試してませんが、なんせ上のズミクロンをつい使っちゃうので……。



P2JG0827
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 3sec ISO400


標準画角50mmですが、ファーストレンズとなった沈胴ズミクロン50mmが、ちょっとした事故でレンズ調整に出さなければならなくなりまして。長くかかりそうなので思い切って購入したのがこのレンズ。フォクトレンダーのNOKTON 50mmF1.5 VintageLine Aspherical VMです。困ったときのフォクトレンダー(笑)、大変安く中古が手に入りました。
50mmがないと困りますからね。このレンズはF1.5と明るいし、描写も素直で実直なやつです。安心して標準域を任せられる職人ですね。



P2JG0830
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 2.5sec ISO400


P2JG0831
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 2.5sec ISO400


2本の90mmレンズ、上がライカのTele-Elmarit M90mmF2.8、下がミノルタのM-ROKKOR 90mmF4です。テレエルマリートが70年代初頭のカナダライカ製、ミノルタがライツミノルタCLEのキットレンズだったもので、70年代末から80年代初頭のものらしいです。
この頃の90mm中望遠ライカレンズは、普通に何のプレミアもついてない中古レンズとしてたくさん流通しているようで、笑えるほど安く手に入ります。1万円代とか普通にあるようで、衝動買いできるレンズです(笑)。
とてもコンパクトな90mmレンズで、大きさのわりには金属鏡銅なのでずっしりとした重みはあります。写りはまあ、普通に使えますね(笑)。どちらもカラーだとあっさりした色ノリですが、モノクロだといいカンジです。やはりどちらかというとF2.8のテレエルマリートの方に軍配が上がるでしょうか。中望遠らしい大きなボケが期待できます。
邪魔にならないサイズなので、ワタシはウエストバッグに放り込んで持ち歩いています。あると街撮りで重宝しますね。



P2JG0835
Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/11.0 35.0 mm 2sec ISO400


というわけで、あっという間に増殖したライカレンズたち。いまはここにいない沈胴ズミクロンと合わせると早くも6本です(笑)。

そんなわけで、今後はフィルムとデジタル、カラーとモノクロと分け隔てなく街の写真を撮っていこうと思っております。
ライカはモノクロとフィルム、富士フイルムは主にカラーデジタルですね。富士フイルムの新製品については今後落ち着いたら資金繰りして……おそらくX100Vは確実に手に入れると思われます(笑)
ただししばらく後ですね。まだしばらくは、Mモノクロームとフィルムライカの世界で手いっぱいと思われます。