もう本格的に春、ということでございます。
ワタクシといたしましては、春の訪れはこの2週間あまりビシビシと身体で感じております。はい、いわゆる花粉症ですね。去年あたりは楽だったんですが、今年の花粉症はまさに容赦ないです。最大、最悪級の被害を被っております。
早いとここの季節が過ぎ去ってくれるといいんですが。
さて、そうは言いましても撮影はがんばってやっております。なんせ世間は矢継ぎ早に春の花が咲き始めておりますのでね。野鳥撮影にも一年でいちばん華やかな季節でございます。なのでがんばらないとね(笑)。
そんな春の花に最もマッチするレギュラーメンバーといえば、メジロです。毎年いろいろ撮っておりますが、今年もいろいろ撮ることができました。総括するのもちょっと早いとは思いますが、ここまでで撮れてきた ”花とメジロ” 写真をちょっとまとめてみましょうか。
まずは2月末の新宿御苑にて、寒桜に大挙して集団でやってきたメジロくんたちです。

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO400
ASTIA
実はこの日が新宿御苑の野鳥撮影は初めてでした。昔花見をしたなあ、なんて思ってたんですが、こんなにメジロが群れでやって来るところだとは知りませんでしたよ。広い庭園のあちこちにある大きな寒桜に、わーとばかりみんなで襲いかかるメジロたち(笑)。さすがのヒヨドリも、いじめようにも数で圧倒されてるカンジです。

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO800
ASTIA
このときはまだX-H1の発売前でしたので、撮影はX-T2です。春らしくちょっと柔らかいイメージで撮ろうと思って、フィルムシミュレーションはASTIAで撮ってますが、ASTIAって思ったよりコントラストが強いんですよね。柔らかい、というより割と派手目な写真になりました。ワタシの好みとしてはもうちょっと落ち着いた彩度のものがいいんですが、まあ、これはこれでいいかな、と。

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO640
ASTIA

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO400
ASTIA
なにせこの日は春らしい好天で、ポカポカの小春日和でした。新宿御苑には観光客もたくさんいました。まさに絶好の観光日よりでいい日になったんじゃないでしょうか。
まだ花粉症の襲撃前でしたしね。ホントにいい日でした。

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO1000
ASTIA

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO500
ASTIA

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO500
ASTIA
これだけ明るい日ですと、ムリせずシャッタースピードが上げられます。AFも迷うことがないので撮影も楽ですね。
むしろメジロがたくさんいすぎて、目移りしちゃって被写体を絞ることの方が苦労したくらいです。
夢のような「メジロ撮り放題」の日でございました。

Fujifilm X-T2
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR + 1.4x
ƒ/8.0 560.0mm 1/1000 ISO400
ASTIA
次は1枚だけですが3月10日の善福寺公園から。これも早咲きの桜なのかな?

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/500 ISO200
ETERNA
最後は3月14日の井の頭公園です。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1000 ISO640
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1000 ISO640
ETERNA
X-H1がメインになってから、野鳥撮りにはETERNAを使う比率が高まりました。彩度低めの地味なフィルムシミュレーションですが、低めのコントラストがシャドウとハイライトが柔らかくなる効果を生んでいてそれが野鳥にはよく合うと思うのです。
それまでは主にPRO Neg.Stdでシャドウ、ハイライト共にマイナスにしてましたからね。
ただし彩度は+2くらいになってます。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1000 ISO200
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1000 ISO400
ETERNA
X-H1を使い始めたとき、主にAF性能の検証のためXF100-400mmをテレコンなしで使っていたんですが、テレコンなしの素の100-400mmのボケの綺麗さに改めて気付かされました。このところ自動的にx1.4を付けて使っていましたからね。
やはり開放F8とF5.6の違いは大きいですね。たった1段ですがボケ味にもたらす影響は大きいですよね。
これはやはり、明るい超望遠レンズが欲しいですよねえ。富士フイルムからは200mmF2の発売が予告されてますが……どうなんでしょう?2倍テレコン付けて400mmF4になるのかな?ううむ、1段明るい……(汗)
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ユキヒョウにたっぷり遊んでもらったあとは、アムールトラへ。以前ヒグマ舎だった場所もアムールトラのゾーンになっているので、広々です。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1000 ISO200
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1000 ISO200
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1600 ISO320
ETERNA
ここから、そういえばこれを試さねば、とFS(フィルムシミュレーション)を”ETERNA”にしてみました。
ムービー用の落ち着いた彩度がウリのETERNA、さすがにそのままだと渋すぎるのでカラー設定を「+1」でいってみました。
落ち着いた色合いもそうですが、ワタシ的には広くなったというダイナミックレンジにも期待したいところ。いつも太陽の様子によってハイライトとシャドウをマイナスにしているので、そのあたりに気を使わなくていいのもETERNAの利点のような気がします。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 280.4mm 1/1600 ISO320
ETERNA
アフリカゾーンのモモイロペリカンたち。3本のクチバシの角度を狙ってフレーミングしてみました。
羽毛の柔らかさ、淡いピンクの色合いもいいカンジだと思います。けっこう気に入った1枚。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/10.0 164.6mm 1/1600 ISO2000
ETERNA
モモイロペリカンと同居しているアオサギたち。交尾のシーンは初めて見ましたが、この直後に恋敵の攻撃を受けてました(笑)。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/10.0 100.0mm 1/1600 ISO2000
ETERNA
羽根を広げて見せてくれたモモイロペリカン。逆光でもシャドウがつぶれてなくていいカンジですね。(もちろん撮って出し、加工なしです)

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1600 ISO250
ETERNA
このひとは飛び入り、野生のジョウビタキです(笑)
ちょっとアンダーめですが、しっかりアイキャッチが入って悪くないですね。
このあと現在工事中のライオンバスゾーンをぐるっと回り込んで、フラミンゴ舎へ。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/13.0 252.1mm 1/1600 ISO250
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.2 280.4mm 1/1600 ISO200
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.0 252.1mm 1/1600 ISO200
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.0 252.1mm 1/1600 ISO200
ETERNA
ちょうど太陽が向かいの位置に来てたので、水浴びしているフラミンゴを逆光で。露出補正を思い切りマイナスにしてしぶきを狙ってみました。
本来なら絞りを絞りたいところですが、金網も消さなきゃならないので絞りは開放にせざるを得ません。レンズにはなかなか厳しい条件です。でもしっかりフラミンゴにフォーカスが来てくれてますね。X-H1の性能の高さがひとつ功を奏した場面だと思われます。
そこからはいよいよチーター舎、サーバル舎です。チーターがちょうど親子で出ている時間帯で、走る姿を追えるか実験してみました。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.2 312.0mm 1/1000 ISO3200
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/1000 ISO1600
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.0 252.1mm 1/1000 ISO3200
ETERNA
障害物もあり(腕が足りないのもありw)走ってるシーンでいいカットがあまりありませんでしたが、AFはしっかり追いかけてくれたと思います。ここは確かな進歩を感じます。AF-Cの進歩もありますし、ファインダーが動体を追いやすくなった効果も大きいかな。これなら動体で使える…ようやく使えるようになったかもしれません(笑)。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/250 ISO1250
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.2 301.1mm 1/250 ISO640
ETERNA

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/250 ISO500
ETERNA
というわけで、最後は金網の向こうのサーバルくんを撮影して、この日は終了です。
お昼前に到着して、午後4時過ぎの閉園近くまで多摩動物園にいましたが、ひさしぶりの動物園はやっぱり面白かったです。
動物園、面白いよ!ということで今回のシメとさせてきただきましょう(笑)。
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目的としては、やはりX-H1のテストです。レンズはXF100-400mmとXF50-140mm、このふたつがメインになります。
さて、現場に着いて……たまどうは入り口が一番低地にあり、そこから各エリアまでえっちらおっちら上り坂となります。右の坂を登っていくとアフリカゾーン、中央がメインストリート、左がアジアゾーンとなりますが、現在の工事中はアフリカゾーンへ登る坂で、従来メインストリートを登っていくシャトルバスも現在では左のアジアゾーンの頂上まで行って折り返してくる臨時運転となってます。おっさんなワタシは坂を登りたくないのでシャトルバスに乗りました(笑)。
アジアゾーンの折り返しポイントはオオカミたちのエリアなんですが、全く展示場には出ていません。仕方なくそのまま進んでいきます。その先にはワタシの大好きなゴールデンターキンがいるのでした。
ゴールデンターキンは中国の山間部に住む牛の仲間なんですが、黄金色の体毛が美しくて、人に興味を示すフレンドリーなところもあります。ちょうど赤ちゃんがいて、お母さんに甘えるシーンを撮ることができました。

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 132.9mm 1/500 ISO2500
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 115.3mm 1/500 ISO2500
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
ƒ/4.0 140.0mm 1/500 ISO1600
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
ƒ/4.0 140.0mm 1/500 ISO1600
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
ƒ/4.0 140.0mm 1/500 ISO1600
Classic Chrome
お母さんも赤ちゃんも、ホントに表情豊かで可愛いです。
もうこのシーンが撮れただけで来た甲斐があったくらいのもので大満足です(笑)。
それにしても、動物を撮るときはX-H1の静かな「フェザータッチシャッター」は助かります。金属的なシャッター音が響き渡ったら、この優しい雰囲気が台無しですから。静かなことは正義ですね。
その先にいるのはレッサーパンダです。言うまでもなくレッサーパンダもアジアの動物ですね。ごはんの時間ではありませんでしたが、2匹が出ていてのんびり笹を食べておりました。

Fujifilm X-H1
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
ƒ/4.0 140.0mm 1/500 ISO400
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
ƒ/4.0 140.0mm 1/500 ISO640
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
ƒ/4.0 140.0mm 1/500 ISO640
Classic Chrome
さらにその隣がユキヒョウのエリアです。ちょうど運動場には母子が出ている時間帯でした。
ここはこれまでと違って金網の向こうにいる被写体です。いかに金網を消せるか、ポジション取りが命なんですが、ここはいつ来てもユキヒョウ狙いのカメラマンがたくさんいて、なかなか思ったようなポジションでは撮れません。まあ、マナーを守りつつ、素早くポジションを確保するのもカメラマンの腕のうち、ですね(笑)。

Fujifilm X-H1
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
ƒ/2.8 140.0mm 1/1000 ISO640
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/640 ISO1600
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 400.0mm 1/800 ISO1600
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 312.0mm 1/800 ISO3200
Classic Chrome

Fujifilm X-H1
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ƒ/5.6 164.6mm 1/800 ISO3200
Classic Chrome
というわけで、アジアゾーンだけでもかなりいいシーンが撮れて、大満足、おなかいっぱいでございますが(笑)、しかしここは多摩動物園の一番深いエリア。シャトルバスも来てない場所なのでおなかいっぱいでもすぐ帰るわけにもいかず、このまま先に進む以外ないのでした(笑)。
この先のゾーンは次の記事に続きます。
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テーマ: FUJIFILM デジカメ | ジャンル: 写真

Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/14.0
35.0mm
1/8
ISO1000
Classic Chrome
実はしばらく前から噂サイトなどで「富士フイルムは”究極のX”を用意している」などという情報が流れていました。そんななか、2016年9月のX-T2の発売以来、ほぼ1年半ぶりの新ラインの発売となりました。ProラインでもTラインでもなく、新しくHというラインができたわけです。
APS-Cミラーレスの利点を生かして、一眼レフより軽くコンパクト、という路線を貫いてきた富士フイルムのXシリーズですが、今回のX-H1では思い切ってボディサイズを大きくし、しっかりとしたグリップも付けてきました。
今回ボディ内手ブレ補正(In Body Image Stabilizer=IBIS)を組み込んできたことからなのか、ボディ自体がだいぶ肉厚になった印象。富士フイルムは「ボディ内手ブレ補正は画質が落ちるからやらない」と明言してきましたが、「いいのできたから前言撤回」ということですね(笑)。
ユーザーの要望をすかさずファームアップに反映してくれるフットワークの軽さも富士フイルムの特色ですが、さらっと前言撤回してやらないと言ってたものを出す発言の軽さも富士フイルムの特色ということで(笑)。
まあ、いいものを作ってくれればいいわけです、ユーザーとしては。

Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/14.0
35.0mm
1/8
ISO640
Classic Chrome
思えばレンジファインダースタイルのクラシックなボディから始まったXシリーズ。X-Pro1、X-E1とその路線が続いて、今度は一転して一眼レフスタイルのボディを出そう、となったときに、デザインのオリジンをどのあたりに定めるか、難しいところだったと思います。結果的に60年代、70年代のフィルム一眼レフを思わせるデザインとなったX-Tシリーズは、望遠ズームレンズも使いやすいものになりましたが、現代的な50-140mmや100-400mmレンズと組み合わせたとき、ワタシ個人的にはレリーズボタンの位置など「中途半端だなあ」感がぬぐえないものがありました。素のボディで単焦点レンズなどを使うときなどはボディ上面にレリーズボタンがあってもいいと思いますが、バッテリーグリップを組みあわせて超望遠レンズを使うときなどは、握ったグリップの部分にレリーズボタンがあるべきで、今回X-H1でそういった現代的なデザインを採用してきたのは、ワタシとしては歓迎です。
ボディ上面のレリーズボタンはストラップホールとの干渉もあって、たまにそのへんが気になることもあったんですよね。「良き時代」へのオマージュ溢れるデザインも大好きですが、やはり実用性は大切です。今回のX-H1のグリップまわりのデザインは、そういったX-Tラインの「中途半端感」を払拭するものでとてもいいと思います。

Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/14.0
35.0mm
1/8
ISO800
Classic Chrome
上から見るとグリップの深さが一目瞭然ですね。かなり思い切って攻撃的なデザインにしてきたと思います。
このあたりのデザインは、明らかにGFXの流れを酌んでいるものです。中判デジタルたるGFXを、ハッセル風デザインではなく一眼レフ風デザインとしたなかで、富士フイルムのなかで現代的なグリップ付きの一眼レフデザインもいいね、となったのかもしれませんね(笑)。上面液晶など全く新しいデザインを採用したGFXを富士フイルムのイメージリーダーとするために、GFXジュニアをXシリーズで作ろう、となったのかもしれませんし、もしかしたら同時進行のプロジェクトだったのかもしれません。
いずれにせよ、X-H1は明らかに”GFXのX版”です。
これまではX-Pro2とX-T2が「どっちもフラッグシップ」と言い張っていた富士フイルムですが、今後はこのX-H1が事実上のフラッグシップなんでしょうね。もしくは他社みたいに「プロフェッショナル向け」「ハイアマチュア向け」とか分けていくのかもしれませんが、それはアホらしいのでやめてほしいですね(笑)。

Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/13.0
35.0mm
1/15
ISO1250
Classic Chrome
こうして並べてみると、X-H1のグリップの厚さがよくわかります。また、アイピース部分がかなり後ろにせり出しているのもわかりますね。(左目効きのワタシですが、これによって鼻が液晶スクリーンに当たらなくなりました。ありがたい!)
全体の高さもちょっと高くなっています。
そんなわけで、どうしてもX-T2と比べてしまうんですが、数日使用してみた感想としては、かなりポジティブです。
確かに重く分厚くなりましたが、それでもまだまだカメラとしては軽いです。そしてなんと言っても、今回富士フイルムが新開発した”フェザータッチシャッター”が心地よい!軽くて音も小さいですが、決して安っぽくないんですね。富士フイルムは比較的シャッターフィール、シャッター音にも気を配っているメーカーだと思いますが、従来はどちらかというとクラシックな、昔のカメラっぽい音と質感を目指している感がありました。しかし今回は新路線を打ち出したと思います。実に現代的で軽やかなシャッターフィールです。積極的に撮りたくなるシャッターで、今回これが大いに気に入りました。

Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/14.0
35.0mm
1/8
ISO640
Classic Chrome
ボディが重くなったのはワケがあります。今回富士フイルムはX-H1のボディを、従来より1.25倍厚いマグネシウムシャシーで作っているそうです。それによって、単純計算で従来の2倍のボディ強度を実現しているそうな。
その効果は、手にすればすぐ実感できるものです。ボディの剛性感、安心感がワンランク違うものになっています。ワタシの経験上でいうと、Canonの1DXに近いかもしれません。少なくとも、APS-Cボディでは破格の剛性感だと思います。
こうなると、ちょっとどこかにぶつけてみたくなる誘惑に駆られます(笑)。やらないですけど。
こってりと厚塗りされた塗装もあいまって、X-H1はちょっとどこかにぶつけたくらいじゃキズひとつ付きそうもない気がしますね。これはワタシのようなガテン系野外生活カメラマンにはとてもありがたい。
マウント部分もがっちり剛性が上がってます。XF100-400mmレンズにx1.4テレコンを付けた装備だと、X-T2だと若干マウント部のたわみが気になったものですが、X-H1はそれもありません。

Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/16.0
35.0mm
1/4
ISO400
バッテリーグリップを装着するとこうなります。まったくもって従来のXシリーズとは別物の貫録です。
性能面ですが、あまり語られていませんがAF性能もアップしています。野鳥を撮影している場面で、AFの無限遠から最短までの移動や、枝にとまった小さな野鳥を狙ったときのフォーカスの後ろ抜けなど、まだまだストレスが溜まる部分が多々あったX-T2でしたが、そのあたりだいぶ向上したと思います。(まだまだ完全にはほど遠いですけどね)
そのへんは、購入前に店頭で実際にレンズとX-T2を持ち込んでがっちり比較した結果ですので確かです。
IBISの効きに関しては、望遠レンズで鳥ばかり狙っているこの季節ですので、まだ実感するには至ってません。しかし、XF16-55mmなどを装着してファインダーを覗いてみると、しっかりと効いているカンジはわかりますね。いずれ、16-55mmやXF90mmなどで手持ちの夜景撮影などトライしてみたいと思います。

Fujifilm X-Pro2
XF90mmF2 R LM WR
ƒ/16.0
90.0mm
1/4
ISO400
Classic Chrome
AF-Cの動いている被写体への追従に関してはまだ語れるほどのデータがありませんが、AF-C時のフォーカス精度に関しては向上しています。
従来では、AF-Cで追いかけている間のフォーカスのウォブリング(サーチ動作)がけっこうあり、たとえばいまにも飛びそうで飛ばない野鳥などをAF-Cで連写した場合、被写体は動いてないのにコマによってフォーカスが外れているものがけっこうありました。それが今回はだいぶなくなっています。
これによって、AF-Cモードのままで動くであろう被写体に備えることができるようになりました。これはかなり大きな進歩です。もちろん、被写体が止まったままであろうときは、AF-S+MFで万全を期すのがベターですが、煩雑な切り替えをする頻度が下がるのはありがたい。
それだけに、AFモードスイッチが相変わらず前面にあるのは惜しいですね。しかもスイッチが小さいし。
ワタシだったらレリーズボタンのところにある電源スイッチの場所にAFモードスイッチを配置して欲しいと思います。両者の位置を交換してもいい。クラシックカメラスタイルだったらあの位置でも仕方ないのかもしれませんが、モダンなスタイルにしたんだったら変えてもいい部分だったと思います。
文句ついでにさらに要望点をあげるとすると(笑)、ボタンの配置ですね。AF-ONボタンが新設されたのはいいですが、あれは親指を自然にずらした場所になければいけません。他社一眼レフでは例外なくそういう配置になっています。
しかしX-H1ではまだどこか不自然な配置になっています。しかもバッテリーグリップの縦位置配置と統一されてない。(ボタンの大きさすら違う)これは激しくダメダメな部分です。

Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R+MCEX-16
ƒ/11.0
35.0mm
1sec
ISO1000
Classic Chrome
いきなりダメ出ししてしまいましたが、とりあえず現状で不満なのはそれくらい。もっと使い込んでいけばいろいろ出てくるかもしれませんが、いまの時点ではたいへん心強い道具なんじゃないかと思っています。
あ、ひとつだけ慌てたことがありました。今回から新設された機能で、ファインダーの表示設定で「ナチュラルライブビュー」という項目があるんですが、とりあえず取説も読まずに「ナチュラル?いいんじゃない?」とそれをONにしたところ、ファインダー像に露出やFSが反映されないんです。これは驚きました(笑)。
今回からファインダーと背面液晶の色合いなどを微調整できるようになったんですが、そのせいかといろいろいじるハメになりました。うっかりONにしないよう、気をつけてください。これは一眼レフのように生のままのファインダー像を見たいときに使うモードです。
ともあれ、これでボディ3台体制になりました。お散歩スナップ用のX-Pro2、本気撮り用のX-H1、サブにX-T2とようやく必要充分(贅沢?)なラインナップになって喜んでおります。
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テーマ: FUJIFILM デジカメ | ジャンル: 写真