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デジライカからニコンへ

結果から言いますと、ワタシとライカMモノクロームとの蜜月は、2ヶ月で終わりました。
ライカはいまでも大好きですし、M2とM5の2台のフィルムライカは引き続き愛用していこうと思っておりますが、MモノクロームCCDを、仕事用機材を売り払って手に入れたのはやはりミステイクと言わざるを得ないという結論になりまして……(汗)

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Fujifilm X100V
ƒ/11.0 23.0mm 2.5 ISO160



デジタルライカを使いたい、という欲と、かつて衝撃を受けたMモノクロームCCDの画質を手に入れたいという欲をしゃにむに満たした形でしたが、計算外だったのは、MモノクロームCCDが登場してからの7年という年月です。
確かにCCDセンサーの”味”は捨てがたいものがありましたが、7年落ちの基本的な画質やカメラとしての性能は、「これ1台」のメインカメラにするには無理がある、ということです。当たり前だろ!と総突っ込みを入れられそうですが、「ライカ熱」にうかされた状態では正常な判断ができないのですよ……。それに、所有して使ってみなきゃわからない、というのは永遠の真理でもありますからね。

そして、決定的にワタシのMモノクロームCCD熱にダメを出したのは、X100Vの画質でした。MモノクロームCCDとX100Vの2台持ちでスナップすると、基本的なモノクロスナップの画質でX100Vの方が上なのですよ。ただでさえAFとレスポンスでX100Vの方が圧倒的に打率が良いのに、画質まで負けてしまってはさすがのライカといえども存在価値を見いだすのは難しい、ということになってしまったのです。

やはりMモノクロームCCDは、ワタシのようにギリギリで手に入れるものではなく、懐具合に余裕のあるライカ使いが2台目、3台目のライカとして手に入れてこそ、その”味”を楽しめるものなんですね。実際に使ってみてよくわかりました。
もちろんこれでライカがキライになったわけではなく、ワタシもいつかそんなライカ使いになれたらいいなと思いますが、今じゃない、ということです。

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Fujifilm X100V
ƒ/11.0 23.0mm 1/8 ISO2000




ところで、フィルムライカもデジタルのMMもそうですが、使ってみて衝撃的だったのは、光学ファインダーでした。どちらもレンジファインダーで、光学ファインダーを通してフォーカスを合わせる気持ち良さは、ずっと富士フイルムのEVF(Pro2やX100シリーズのハイブリッドEVFもありましたが)に慣れていた身として結構なカルチャーショックでした。光学ファインダーの気持ちよさが、ライカにハマっていった大きな原因のひとつだったのです。
というわけで、デジライカを手放して次のメインカメラを決めるにあたり、やはり譲れないのはファインダー、光学ファインダーを使いたいという欲求だったのです。

となると、2016年にCanon 1DXを手放して以来の、一眼レフに戻るしかないわけですよね。
このところずっと、ミラーレスデジカメやレンジファインダーのライカを触っていて、反動として重くて大きくてガチャガチャうるさい一眼レフが懐かしくなってきた、というのもあります。ここでひと回りして、一眼レフに回帰してみよう、とそんな気分になったのです。

となると、Canonに戻るのか、PENTAXを再び使うのか、それともいままで縁のなかったNikonに行くのか……!?
選択としてはこの3つしかありません。(ライカSがあるじゃん!とかそういうツッコミはなしです)
しかし、せっかく新たな気持ちで一眼レフに回帰するんですからね。ここは新しい挑戦をしたいじゃないですか。
そういうわけで、こうなりました。

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Fujifilm X100V
ƒ/2.0 23.0 mm 1/8 ISO160



はい、Nikon D850 です。
最初はD810あたりの型落ちでいいか、と思っていたんですが、発売後3年経ったD850の中古良品が25万くらいまで値下がりしてたもので、これなら、と決めてしまいました。
なんと高画素フルサイズでございます。たぶんこの1台でどんな仕事でもこなせるであろう、万能機でもありますね。
そう考えると、ライカMMとは真逆のデジタルカメラってことですねえ……。


Nikon
iPhone11Pro Max


今回、デジライカを売却してフィルムライカは残すとして、レンズは沈胴ズミクロン50mmとLズマロン35mmの2本のオールドレンズがあれば十分、ということで残りは全て売却することにしました。
するとなんと、その代金で等価交換したところ、これだけのNikonのレンズが買えてしまったのでした(笑)。
その内訳は

Ai Nikkor 35mmF2D
AF-S NIKKOR 50mmF1.4G
AF-S Micro NIKKOR 60mmF2.8G ED
Ai AF Zoom-NIkkor 24-85mm F2.8-4 D IF
AF-S NIKKOR 70-200mmF2.8 ED VR II
AF-S NIKKOR 200-500mm F5.6E ED VR


焦点距離24mmから500mmまで、単焦点3本(35mm、50mm、60mmマクロ)、ズーム3本(標準ズーム、望遠ズーム、超望遠ズーム)の計レンズ6本、ワタシとしてはほぼ完全なラインナップを最初からまとめ買いです。
こんなの初めての経験ですよ(笑)。
ライカ恐るべし、と言うべきでしょうか。
おかげでとりあえずどんな仕事が来ても安心です(笑)。

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Fujifilm X100V
ƒ/2.0 33.0 mm 1/4 ISO160




というわけで、4月からのワタシは仕事とネイチャー用としてニコンフルセットと、スナップ用として富士フイルムX-Pro2とX100V、そしてフィルムカメラとしてライカM2とM5、というラインナップでやっていくことになりました。
我ながら思いますが、これってけっこう理想的な顔ぶれです。
これで春から心機一転、やっていこう!と思ったわけですが……(汗)

早く通常の社会生活が戻ってほしいものです。それまでは、家で我慢、ですね。






『写真屋放言』#31更新しました



YouTube動画、更新いたしました。
先日ゲットした、新しいX100Vについて、たっぷり25分もしゃべってしまいましたよw
オープニング動画とテーマ曲も新しく作り直しました。ぜひご覧ください。

ライカMM、そして

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Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/3.6 35.0 mm 1/125 ISO2500


なんといつの間にか年をまたいでしまいました(笑)
いまさらお年始のご挨拶もないので割愛させていただきますが、11月にライカM2を買って以来、年末年始はフィルムカメラ三昧なワタクシでございました。
”ライカは増殖する”なんて言葉もありますが、安いオールドレンズを見つけてはレンズも2本、3本と増えてゆきました。
オールドライカの世界は、安くあげようと思うと何とかなるのがいいところです。中望遠レンズやLマウント(スクリューマウント)時代のレンズはびっくりするほど安かったりして、つい増えてゆくのでした。

最初のレンズ沈胴ズミクロン5cmF2(当時のレンズ表記はmmじゃなくてcmなのです)から、次に来たのはLマウントのズマロン35mmF3.5(レンズ表記としては3.5cm)です。そのあとは中望遠でミノルタ製ライカMマウントレンズロッコール90mmF4、明るい中望遠も欲しくなりライカのテレエルマリート90mmF2.8……。
レンズが4本になると、ついボディがもう1台欲しくなり、ライカの中では人気薄で安価なM5を買いました。

フィルムカメラで撮影していくと、デジタルで撮ることはなんと楽なんだろうと実感します。なんせフィルムの場合はISO感度はフィルムに固有ですから、そのフィルムを使い切るまではISO感度を動かせないわけです。100なら100、400なら400で24枚なり36枚を撮り切らないといけない。夜景などは増感現像することにしてISO800やISO1600という世界もありますが、それでも途中で変更することはできませんから、増感すると決めたフィルムは撮り切るまでずっと感度増感です。
しかもM2は露出計なんてありませんから、単体露出計を常に持ち歩くことになります。
そうして次第に、露出の感覚が身に付いてきます。ISO400のトライXを入れたとして、晴れた日だったら基本的にf5.6の1/125で、日陰だったらそこから1段明るく、空を撮るんだったら絞りをf11まで絞ってみる、とかですね。デジタルだったらカメラ任せだった部分を自分で考える面白さがわかってきます。

それと同時に、レンジファインダーでMFする面白さもわかってきました。なぜライカ社が頑なにライカMシリーズにAFを導入しないのか。それはAF化によるレンズとボディの肥大化を防ぎたいのと同時に、ライカで撮る面白さ、楽しさがレンジファインダーをのぞいて二重像を合わせる行為にあるからです。被写体との距離を読んでノーファインダーで撮る素早さもありますが、やはりあのクリアなファインダー視界の中で二重像を合わせることこそライカの真髄であることを、ライカ社のエライ人はちゃんとわかってるんですね。
だから頑なに光学ファインダーだし、頑なにマニュアルフォーカスなのです。

最初は難しそうなイメージがあったんですが、M2で初めてレンジファインダーをのぞいた瞬間から、あの二重像がとても合わせやすいのに驚きました。もちろん個体差はあるし、逆光だとブライトフレーム(レンズ画角を示す枠線)と二重像が見難い瞬間もあるんですが、それらもアナログな、光学的な現象なので、ちょっとしたその場の工夫でなんとかなるんですね。
それより、ライカMマウントレンズのフォーカスリングをスッと動かして二重像を合わせる行為に、ほとんど曖昧さがないので素早くフォーカスを合わせることができる。二重像が重なるのがハッキリとファインダー内で見えるので、合焦に迷いがないのです。そうして撮った画像はどれもばっちりとフォーカスが合っています。
操作の気持ちよさ、目で見て合わせる小気味良さ、撮れた写真の達成感、そしてもちろんクリアでシャープな画像。ワタシはすっかりライカレンズの気持ちよさにハマってしまったのです。

そしてやはり、デジタルもライカレンズを使いたい気持ちがどんどん大きくなっていきました。
もちろん、富士フイルムXシリーズでマウントアダプターをかましてライカレンズを使うことはできますし、そうして使ってもいましたが、そこでなんとも悔しいのがセンサーフォーマットの違いです。
もちろん、デジタルカメラのシステムとしてはXシリーズのAPS-Cセンサーとマウントサイズはベストだと今でも思います。フィルムよりシステム全体が肥大化せざるを得ないデジタルでは、センサーサイズをワンサイズ小さくして全体をダウンサイジングした富士フイルムの判断は妥当なものです。
ただ、単純にライカレンズをアダプターをかまして使いたいだけとなると、APS-Cセンサーではイメージサークルの真ん中しか使えないのが悔しいんですよ。周辺減光とか大好物なので、その辺の味も含めてライカのレンズを味わいたいのです。
だからと言って、他社のフルサイズデジカメを導入する気は全くありませんでした。

そうなると、このところ自分の中でスタイルの変遷というか、被写体が野鳥からストリートスナップへとはっきりと変わっていることを認めざるを得ないところがあるので、だったら潔く、野鳥用のシステムは手放して、しばらく野鳥はお休みしよう、と気持ちが定まりました。
愛着あるX-Pro2、X100FとXF35mmF1.4R、マクロとレンズスキャン用にZEISS Toiut50mmF2.8Mを残して、その他のレンズとボディを全て手放すことで、8年落ちですがデジタルライカを迎えることができました。
作例を見て衝撃を受けて以来、デジタルでライカを手に入れるならこれしかないと思っていました。MモノクロームのCCDセンサーモデルです。



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Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/4.0 35.0 mm 1/30 ISO12800


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Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/5.0 35.0 mm 1/250 ISO12800


P2JG0810
Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/5.0 35.0 mm 1/250 ISO12800


まったくまあ、なんともそっけない真っ黒なカメラです。つや消し黒の塗装はクロームで、ペイントブラックのように剥げを楽しむボディではないようです。でもそのおかげで、この個体は底面以外ほとんどキズや凹みのない綺麗な状態を保っています。
2012年の発売以来8年経って、ようやく中古価格が新品の半額程度に落ち着いてきました。それでなんとかワタシにも手が出せるレベルになったんですが、それでもまだ50万円以上の価格を維持しているのが逆に凄いですねえ。
ライカのCCDセンサーはリコール交換があったらしいですが、この個体は交換を済ませているので安心です。



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Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/5.6 50.0 mm 0.8sec ISO2500


メーカー名は背面にあるこの刻印のみ。そして機種名に至っては



P2JG0849
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/5.6 50.0mm 0.3sec ISO2500


アクセサリーシュー金具のところのこの刻印のみです。何かキミは、そこまで世をはばかる理由でもあるのか!?と問い詰めたくなるような徹底ぶりですが、本体に何の印字もないこの仕様、実は大好きです。
カメラ本体に、機種名やメーカー名をデカデカとアピールする必要なんてありませんし、撮影の邪魔ですらありますから。
そしてライカには、そんなことしなくても一目でライカだとわかる特徴を代々受け継いでいるのが凄いわけです。ワタシもこのほんの数ヶ月の撮影経験でも、街ゆく人や被写体になってもらった人から、いいカメラだね、凄いカメラですね、と声をかけられました。だいたい年配の男性だったらみな、おっという顔になりますね。
そしてそれは、世界中どこに行っても同じなんだそうですよ。本当に凄いことですね。



P2JG0828
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 3sec ISO400


手元にある唯一の現行レンズ、ズミクロンM35mmF2 ASPH 6bitレンズと。これももちろん中古で手に入れたものですが、全域に渡って繊細でシャープ、逆光にも強く現代ライカレンズの実力を思い知らされる1本です。そしてこのレベルで、まだスタンダードモデルですからね。



P2JG0829
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 2.5sec ISO400


そしてこちらが、同じ35mmレンズでも65年前の大先輩。ズマロンL35mmF3.5です。このレンズはフィルムで使うとたいへん柔らかくて味のある描写をするレンズで、ワタシをオールドライカレンズの沼へ突き落としたレンズです(笑)。
柔らかいけど芯があって、ポートレートがとてもいい雰囲気に撮れますね。まだMMでは十分に試してませんが、なんせ上のズミクロンをつい使っちゃうので……。



P2JG0827
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 3sec ISO400


標準画角50mmですが、ファーストレンズとなった沈胴ズミクロン50mmが、ちょっとした事故でレンズ調整に出さなければならなくなりまして。長くかかりそうなので思い切って購入したのがこのレンズ。フォクトレンダーのNOKTON 50mmF1.5 VintageLine Aspherical VMです。困ったときのフォクトレンダー(笑)、大変安く中古が手に入りました。
50mmがないと困りますからね。このレンズはF1.5と明るいし、描写も素直で実直なやつです。安心して標準域を任せられる職人ですね。



P2JG0830
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 2.5sec ISO400


P2JG0831
Fujifilm X-Pro2
Touit 2.8/50M
ƒ/11.0 50.0mm 2.5sec ISO400


2本の90mmレンズ、上がライカのTele-Elmarit M90mmF2.8、下がミノルタのM-ROKKOR 90mmF4です。テレエルマリートが70年代初頭のカナダライカ製、ミノルタがライツミノルタCLEのキットレンズだったもので、70年代末から80年代初頭のものらしいです。
この頃の90mm中望遠ライカレンズは、普通に何のプレミアもついてない中古レンズとしてたくさん流通しているようで、笑えるほど安く手に入ります。1万円代とか普通にあるようで、衝動買いできるレンズです(笑)。
とてもコンパクトな90mmレンズで、大きさのわりには金属鏡銅なのでずっしりとした重みはあります。写りはまあ、普通に使えますね(笑)。どちらもカラーだとあっさりした色ノリですが、モノクロだといいカンジです。やはりどちらかというとF2.8のテレエルマリートの方に軍配が上がるでしょうか。中望遠らしい大きなボケが期待できます。
邪魔にならないサイズなので、ワタシはウエストバッグに放り込んで持ち歩いています。あると街撮りで重宝しますね。



P2JG0835
Fujifilm X-Pro2
XF35mmF1.4 R
ƒ/11.0 35.0 mm 2sec ISO400


というわけで、あっという間に増殖したライカレンズたち。いまはここにいない沈胴ズミクロンと合わせると早くも6本です(笑)。

そんなわけで、今後はフィルムとデジタル、カラーとモノクロと分け隔てなく街の写真を撮っていこうと思っております。
ライカはモノクロとフィルム、富士フイルムは主にカラーデジタルですね。富士フイルムの新製品については今後落ち着いたら資金繰りして……おそらくX100Vは確実に手に入れると思われます(笑)
ただししばらく後ですね。まだしばらくは、Mモノクロームとフィルムライカの世界で手いっぱいと思われます。